クリスマ酢。

今日はクリスマス。
宣言通りに平和な一日となりました。
はい終わり。
……否、平和というには些か語弊があるか。
 
そういえば、今日の晩御飯の「酢豚」が、
 
俺が散歩に行っている間に豚全部食われていたという事件があった。
 
残っていたのは大量のたまねぎ。
 
大量のたまねぎの中、たまねぎに溺れるように点在するニンジンが少々。
 
豚肉の姿はない。一切ない。皆無といっていい。ていうか皆無だ。
 
……これは既に、「酢豚」であって「酢豚」にあらず。
 
――だからといって「酢」でもない。
 
「酢豚」と「酢」の間を永遠に彷徨うたまねぎの濁流。
 
まさにそれであった。
 
「なんだよこれ、どうしてくれんだよ」と、抗議の声を上げる自分。
 
主犯(弟)は目を合わせずに言葉を返す。
 
「・・・すまねぎ。」
 

 

 

 
・ 
 
――ああ。なんという、馬鹿。なんという、間抜け。
 
言うに事欠いて「すまねぎ」。
 
この期に及んで、まだ親父ギャグを吐けるのだから“これ”は始末が悪い。
 
・・・すまねぎ。
 
「すまない」という謝罪の意味は含まれているのだろうか、
 
――否、断じてそのつもりはない。
 
ならばギャグとして笑わせる気だったのだろうか、
 
――否、微塵も面白くはない。カス以下。ゴミみてえなもんである。
 
だが、だからこそ、この料理には似つかわしい。
 
このネギなんだか酢なんだかよくわからん硫化アリル臭漂う料理にはまさしく最適の名前と言える。
 
そしてこの瞬間こそ、新たなる料理が降誕した瞬間であった――。
 
――そんな一日。(最後自分でも何書いてるのかよくわからなかったから適当に閉めましt